Taobody LABO ~東洋身体研究室~
当研究室について

メモをとるということ

当研究室では、メモを取ることを推奨していますが、 「具体的にはどうやったらいいの?」というのが正直な感想かもしれません。 実際、この提案を自分のクラスでしてから、実践に移す人が増えた反面、そのやり方は様々です。 もちろん、自分のわかりやすい形で実践するのが一番ですが、やはり何か例になる物があった方がいいでしょう。 今回その一部をここにご紹介致します。

  1. かなり部分的かつアップでわかりにくいかとは思いますが、これは「倒巻肱」の歩法をメモしたものです。
  2. これは護心錘ですね。腰の動きは表現されていないですが、(と言うよりは描写不可能ですが…) 雰囲気は良くつかめていると思います。
  3. 順序は逆になりましたが、護心錘の直前の翻身二起脚です。
    意外と多い過渡動作の中から、無駄なくピックアップされていて、後から見返すときに一連の流れを無理なく思い出せる構成です。できれば、もっと解説が多い方がいいですが、忘れなければ、わかってることははしょってもいいです。
    用法の説明も書かれていたらもっと良かったですね。

ここまでの上3枚は、生徒さんが実際に書かれたものです。
基本的に、当研究室では動作を覚えた後、用法の説明をしています。そのため、それも一緒にメモしておいたほうが、いざ忘れたときに力の流れで思い出すことが出来ます。

さて、下の2枚は私が中国で師父に学んでいた時にメモしたものです。
馬虹師父の説明を忘れないように、大急ぎで書きなぐったものです。日本語のもの、中国語のもの、ちゃんぽんのものと動作の複雑さや、師父の解説の量に合わせて一番早いやり方で、可能な限り詳細にメモを残しました。

  1. 二路の躍歩護心錘における、足と体の関係、及び手の動作です。
    私は基本的に「全部書く」ようにしています。そのまま解説本になるくらい細かく書くことで、流れをそのままノートに再現できるからです。
  2. これも二路で、動作は雲手です。ここでは解説は中国語で書いてます。
    はっきり言って中国語で書いていく方が、スピードは格段に速いです。
    それは何も、私の中国語がうまい、とかいう話ではなく、同じ内容を表すのに、字数が少なくてすむ、という特性の差が両言語間にあるからです。
    たとえばここでは、なにやら横線が引かれてますが、その上の文章は、
    「両手をまず右上方に『ポン』する。(さらに)下に『リュィ』してから、再び左に『ポン』する…」てな意味の中国語が書かれてます。日本語で書くと結構長いです。中国語だと、13文字で終了です。

もちろん、誰も彼も中国語で書けるわけではないし、
その必要もないでしょう。
日本の先生は、総じて親切な方が多いですから、黒板やホワイトボードを使ってくださったり、聞けば何度も同じことを繰り返してくださったりします。それを書いていけばいいんです。
テキストがある方は、それに注釈をつけていく、というてもあります。
ただ、一度は自分の手で流れを書いてみてください。
きっと、すっと腹に落ちていく物があると思います。