東洋身体研究室

当研究室は、広島県呉市に本部を置き、
呉市広島市を中心に活動しています。
伝統陳式太極拳の直轄・委託教室の運営、
個人への講師派遣が主な活動です。

東洋身体研究室とは

     
	「東洋身体研究室は
	健康に関するあらゆる問題を
	一生の問題ととらえ
	東洋体育に根付く理論のもと
	一つずつ解決していくことをめざします。」

その中心としてとらえているものが「太極拳」です。 「太極」は、「陰」と「陽」を表しており、 身体においては前と後、左右、上下、内外、順逆にあたります。
当会では太極拳の目的を  これらの「常に対立する意識」を持って、正しく運動することで、 体を太極の状態(バランスのとれた状態)にすることであると考えています。
太極拳は、もっともニュートラルな身体感覚を身につけることに適しており、 様々なスポーツを行う基となる身体バランスを身につけることができます。
またそれらの身体運用の方法には、 中国の思想や哲学が多く含まれており、それを正しく学ぶことで、 身体のみでなく、精神的な健康の獲得をもめざしています。

活動の歴史と肩書きについて

1997年「内家拳研究会 五行會」という名前で活動を開始した当研究室は、 その名の通り、「内家三拳(太極・形意・八卦)」を練習種目とし、 それらに通底する原理を学ぶグループではあれど、それはあくまで、武術という面にこだわったものでした。 それが発足5年を経た後、 「東洋身体研究室 TAO BODY making laboratory」に変更したのは、以下のような理由からです。

まず、私個人が、あくまで武術家ではなく、武術の研究者(含む実践)であるという立場を明確にするためです。 武術という一種の身体表現・鍛錬を通して模索しうるすべての現象を真摯に捉え、 生活に、大げさにいうならば人生にいかにフィードバックできるか、という点をも含んだ活動を行っていきたいのです。 私の肩書きは、「タオ・ボディ・メイカー(TAO BODY maker)」といいます。
もちろん私の造語ですし、さらに当たり前ですが、日本に一人しかいません。 「TAO BODY」の日本語訳は、やはり造語になりますが、「太極体」となります。 「太極体」とは…簡単に言うと、「太極の状態にある体」という意味です。
そして、それは、「前後、左右、上下、内外などのあらゆる対立のバランスがとれている状態」なのです。
taijitu.jpg(14759 byte) 「太極」とは、本来的に「陰」と「陽」の対立概念で構成されており、 「太極図」にみられるように、その「陰」「陽」もまた、それぞれの中に「陽」と「陰」を持ちうる、 といった入れ子構造になっています。 これはいうならば、コンピューター的二元論であり、 また、カオス理論で述べられる「フラクタル構造」と意を同じくするものです。 カオスは、「混沌」と邦訳されますが、これを私は、周易に見られる「無極」ととらえています。

「太極とは、無極から生じた動と静の兆しであり、陰陽の母たるものである」

清代の武術家・王宗岳は、「太極拳譜」の冒頭でこう述べています。 「無極」はすべてを内包してはいますが、そのままではやはり無秩序な集合体にすぎません。 そこに秩序が与えられたものが「太極」の状態であり、 それを我が身で体現したものが、すなわち私の目指す「太極体」なのです。 そのための最も有効な手段こそが、東洋的な武術に見られる身体技法の原理であると信じています。

日本の武術は伝承の時間だけを取り上げるなら、その形をなるべく留めているという条件の下ならば、 世界でも類を見ないほどの歴史を持つと思われます。 当然に優れた身体技法が伝承されており、 時代時代の天才的先人たちによってさらなる昇華を見せてきました。

なぜ当研究室は中国武術を研究・実践するのか?

それは、中国武術がいくつかの側面を持っているからです。 まず、 本来的な武術としての側面、 次に、 中国古来の哲学・思想的な側面、 さらに、 伝統医学との関連、 そして、 外形の美しさを求める芸術としての側面 などです。

これらは単独でも追求することができますが、一つの融合体としても追求することができます。 そこに、中国武術の特異性が表れています。 むろん、これは私の主観に依った意見ですので、反論のある方もいると思います。 ただ、縁あって中国武術に巡り会い、良き師に恵まれ、 良き同好の士に囲まれている過去・現在、そしてそうであることを願い、信じる未来において、 私は、自身の確信を持って研究・教授を続けていこうと思っています。

また、そうして中国武術を通して築いた身体感覚は、もっともニュートラルなものであると考えています。 それを証明するために、自らいろいろなスポーツに挑戦しているところです。
断っておかなければならないのは、私はけして子供の頃から運動優等生ではなかった、という点です。 勉強嫌い、運動嫌いだった私が始めた武術は、私の体を確かに変えてくれました。

運動が苦手な人たちや、体力に自信のない人たちに、 そこから脱するのは実はすごく簡単なことなんだ、楽しいことなんだ、とわかってもらえるなら、 それが、私に武術を与え導いてくださった直接の老師方、 直接は触れることのできなかった多くの先師方への、ささやかな恩返しになると信じています。

代表者 略歴

裏山元紹(Urayama Gensyo)

Copyright (c) 2004 TAO BODY making laboratory
事務局:広島県呉市和庄2−12−5