2006.05.31 練拳閑話

馬虹師父と僕~拝師前夜 篇~

なんとか馬虹師父との対面を果たした僕でしたが、久しぶりの中国語生活と緊張から、最初は上手く言葉が出ませんでした。
それでも、なんとか落ち着きを取り戻した僕は、今回の訪中の目的を伝えました。

訪中の真の目的

今回、ただミーハーに馬虹師父に会いたかった、というわけではありません。
それはこの旅の目的の9割にしか過ぎません(ほとんどじゃん……)

実は、馬虹師父に憧れるきっかけとなった「陳式太極拳技撃法」を始めとした、師父の書籍を日本で翻訳出版したいと考えていた僕は、その了承を取り付けたかったのです。

「日本で、これだけの理論を展開した本はほとんどありません。
ぜひ翻訳することを認めていただけないでしょうか」

師父
「私はいいよ。後は出版社と交渉して。」

それだけですか!?

そんな簡単でいいんですか??

こんなどこの馬の骨ともしれない日本の若造ですよ??
いい加減な訳を書くかもしれませんよ?
まあ、それを確認するすべはないにせよ、あまりにもあっけない。

しかし、これはやはり、ひとえに馬虹師父のこの思い故なのでしょう。

「陳照奎先生から伝えていただいた太極拳を発揚したい」

馬虹師父の陳照奎先生に対する想いは、僕の馬虹師父に対するそれ以上です。
そんなこんなで、最初の会見はお会いできたことの喜びを伝えることと、翻訳の話で終わりました。

翌朝の練習におじゃまさせていただくことを快く承諾して下さると、馬虹師父は、見送ろうとする僕らを制して、一人でお帰りになりました。

その夜の問いかけ

その夜。
まだ興奮さめやらぬ僕に張老師が話しかけてきました。

張老師
「で、裏山はどうしたいんだ?」

「は??」

すでに言っておいたように、会いたいことと、翻訳のこと以外は考えてませんでした。
「どう、とはどういう意味でしょう?」
まあ、普通にこのまま、2、3日練習に参加し、その後は帰京の途についてもらうものだと思っていました。

張老師
「だから、馬老師に教えていただきたいのか? それとも拝師したいのか?」

は???

拝・・・・・師・・・・・ですか??

それは、あのう、「拳児」なんかでやってた、長い線香持ったり、先生に向かって土下座(ちょっと違うが(汗;)したりする、あれですか?
そんな、世間話みたいに話しててできるものなんですか?

翌朝のご飯を決めてるんじゃないんですよ??

「いや、拝師とか考えてもいませんでしたし、できないでしょう?」

張老師
「まあ、決めるのは馬老師だから、できるかどうかは別として、したいかどうか」

うーーーん……そういわれても……。
全く選択肢に上がっていなかったことを言われて、したいかどうか、とせまられても、返答のしようがないですがな。

「習ってみたいとは思いますが、拝師とは……」

先生を目の前にして、他の先生に習ってみたい、といえる僕も無茶ですが、今日会ったばかりの人、それも憧れの先生に拝師したいのか、と聞く先生も先生です。

とりあえず、翌朝の練習に参加して決めよう。

そう思い、その場では返事を濁しました。

思ったよりも長くなったので、続きはまた次回に。

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